in this world...

Saturday, June 3, 2006

この1年

3年前日本で勤めていた会社を辞め、パリで2年間仕事をし、去年の9月にやっと念願の開発学を学びにロンドンの大学院にやってきた。1年の修士コースは苦しんでいる間にあっという間に終ってしまったけど、この1年でほんとに多くのことを学んだ。
ここで一番苦労したのはものごとを批判的にみること。 コース自体が開発の世界をとことん批判的に解剖していく内容で、先生からは何を読むにもcritical readingをしろと言われ続け、それが得意な欧米人の議論についていくのは大変だったけれど、終ってみれば私もかなりこの能力がついたかなと実感。 日本人は割とものごとをそのまま受け入れる傾向があって、授業ひとつにしても質問が少ないけれど、こうしてcriticalにものごとをみるようになると質問が自然と出てくる。
中学時代、授業中に活発に質問をしていた帰国子女の友達が「なんでみんな質問しないの?」と不思議に思っていたのを思い出す。 質問しないっていうのではなく、質問がなかったのです。
何でも「ふーん、そうなんだ」って吸収しておしまい。 ここに来て批判的にものごとをみるという教育を受け、日本にもこういう教育が必要なんじゃないかなあと思う。

先週最後の試験が終ったその夜、久しぶりに映画でも観ようと思ってDVDを借りてきた。 たまたま前から観たかった"Salaam Bombay"というインド映画をみつけ、特に何も考えずに観始めた。そして観終わった瞬間、なんだかこの1年を締めくくるかのようにいろんな想いが甦ってきた。この映画はボンベイのストリートチルドレンを取り巻く環境を生々しく映し出している話で、実際にストリートチルドレン自身が演じている。



実はインドは私が最初に訪れたいわゆる「途上国」。大学2年の時にスタディツアーと称してボンベイやバンガロールのNGOを訪問。スラムに行ったり、あるNGOの農村プロジェクトを見学したり。"Salaam Bombay"にはボンベイの様子がたくさん映っていて、なつかしく思うと同時に、あまりにも大きすぎる貧困という問題に対して感じた無力感、それでも何かをしたい!と奮い立ったことが思い出されてきた。一方で、映画を通してあの時には見えなかった面が見えてきてこの1年で自分の視点も変わったんだなあと実感。
ここで学んだことを糧として、そしてインドで感じた原点に戻ってこれから新たなスタートを切ろうと心に決めた夜でした。

(といっても実はまだ修士論文が残っているのでとりあえず9月半ばまではそれにとりかかることになるけれど)

6 Comments:

Anonymous まち said...

ブログの開設、おめでとうございます!

あやのさんにとって、この一年は、かなり充実したもののようですね。
私は、大学院生活がスタートしたばかりですが、同級生の発言力に、おろおろしてばかりいます。なんであんなにぺらぺらと、しかも、堂々と発言できるのか、と怖気づいています。今までの自分の勉強では、全く太刀打ちできずに、大してなかった自信はますますなくなっています。
でも、あやのさんのように、一年後には、成長できれば、と思いました。

インドの映画、おもしろそうですね。日本でも観れますか?

June 4, 2006 at 6:13 PM  
Anonymous ayano said...

まちこ>コメントありがとう!まちこのコースは特に議論がうまい人多そうだよね。負けずにがんばれ!インド映画、日本でも探せばあるはず。邦題も「サラーム・ボンベイ」でモンスーン・ウェディングと同じ監督Mira Nairの映画です。是非時間を見つけて観てみて!インドsメンバーにはかなりうけるはず(って時間がないのは十分よくわかるけど)

June 4, 2006 at 8:03 PM  
Anonymous まり子 said...

りんりん、

ブログ開設したのね! 楽しく読ませていただきました。

すごく私の勉強にもなります。

やはり日本の教育でもまだまだ、発展しなくてはいけない部分がありますね。

私も勉強しようっと!

これからも読むの楽しみにしています!

June 6, 2006 at 5:03 PM  
Anonymous Sami said...

会社のLunch Timeにブログ見ました。私も大学院で一番勉強になったのは「ものの見方」。そして、「博士課程は無理っぽい」と感じたのも、「自分の新しい視点」で分析能力が私はないことを思い知らされたからです。「学ぶ」ことが好きなだけでは、研究者は難しいね。
私も「帰国子女」だった頃、すっごくよく質問していたよ。そして、どうして他の皆は質問しないんだろう、って思っていた。でも、なんだか「日本人らしく」なるにつれて、私もだいぶ「おとなしく」なってしまったように思う。

あやのちゃん、きっとすごく成長しているんだろうなぁ。私は...。もっと努力家になりたいものです。(・_・;)

会うのが恥ずかしいけど、日本で待ってます!

June 7, 2006 at 9:42 AM  
Anonymous ayano said...

まり子>コメントありがとう!まりちゃんも教育者の一人として期待してますよ!

sami>久しぶり~!あなたこそ努力家でしょう!!

今後どのくらいの頻度で更新できるかわかりませんが、今月末からはセネガルなので、そこから面白いことがあったら報告したいと思います。

June 10, 2006 at 3:48 AM  
Anonymous nao said...

こんちは。hirano です。ブログ開設おめでとう。私も何回か試みたんだけど、途中で挫折してしまいました。ayanoは続けられるように、頑張って!数年間走り続けた結果、少し振り返って reflective になる時間ができたということでしょうか。走って、少し振り返って、また走って。そんな感じですよね。話だけ聞いているとすごく充実していた様子。何よりです。それと、日本にいる側からしてみれば、外にいるってだけでちょっとうらやましい…;-)

私は ayano が書いているような、流さずにいちいち、つっかかってしまう帰国組ですけど、critical approach に対して「え~『批判』するのって感じ悪いじゃん」と感じるのは、理解できる。時々言ってみるのは、critical であることが居心地悪くても、 responsive な姿勢で物事に取り組むことは、日本人は得意なはず、ということ。それは日常のやりとりの中では結構生きているんだけど、教育の中では、スイッチがoff になってしまってる。とりあえず、自由な response を引き出せて、それに対応できるセンセが増えると、いいですね!

June 15, 2006 at 1:03 PM  

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