ネパール最西端へ①
少し前になるけれど、ネパールの最西端へ出張に行ってきた。 これまでインド国境沿いの平野部への出張が多かったけれど、今回は丘陵部へ。山越え谷越え、道なき道を10日間歩き続け、テント生活と川で水浴びの毎日。毎日7,8時間歩いては辿り着いた村で住民の聞き取り調査というかなりきつい行程だったけれど、色々な意味でなかなか貴重な経験となった。ネパール人でも普通はあまり足を踏み入れない地域で、同行したネパール人スタッフも、自分の国にこんなところがあったなんて!と驚きの連続だったようだ。
そしてもっと驚いたのは女性たち。重そうな荷物を頭に載せて平気で歩いている。上の写真はそんな女性たちが荷物を置いて休憩している様子。この辺りの村では現金収入よりも物々交換が主流で、自分の畑で取れたものを隣村に売りに行き、交換に衣類や子どもの学用品を買ったりしている。そのため、この女性たちは村から村へと何時間もかけて商品を運んでいるのだ。
この辺りの村に行くと、大抵仕事をしているのは女性たちだ。薪を集めに行ったり、畑仕事をするのは女性の役目。一方男性は村の中心にある大きな木の下に集まって何やら話をしたり、ぼーっとしている。それでいて、女性たちには全く意思決定権はなく、村の決め事は全て男性だけの井戸端会議で決まってしまう。女性たちに話を聞いても、だんなに聞かなきゃわからないということばかり。
実はこの辺りはダムの建設予定地で、彼女(写真)の畑も水没するというのに、その理由も知らされていない。女性たち数名に聞き取り調査をしていると、その横を通った男性から「そいつらに話を聞いても時間の無駄だよ!何も知ったこっちゃないさ。」と言われる始末。
でも実際女性に話を聞いてみれば、男性からは聞けない話がたくさん出てくる、出てくる。彼女たちは畑仕事の他に、チウリというこの辺りでよく見かける木の実を集めてはそれを植物性バターや薬に加工したり、木の実自体を売って副収入源としているそうだ。畑の収穫はだんなに管理されてしまうけれど、チウリは女性のいわゆる「へそくり」となっているという。この「へそくり」から女性たちは家に必要なもの、子どもたちに必要な本や学用品などを買ったり、いざという時の備えとしている。女性たちは、チウリの木の重要性を強調し、もしもこの辺りが水没したら、その木1本1本も弁償してもらえるのか?と聞いてくる。
男性からは聞けなかったチウリの重要性。一家を陰で支えているのは女性であって、実は何も知らないのは男性の方なのかもしれない。。。
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